2023/06/23
北大西洋で、タイタニック号探索ツアーの潜水艇「タイタン」が消息を絶った事故が起きました。
当初、電源喪失等のトラブルによるものと考えられていましたが、水中で破片が見つかり乗客5名全員が亡くなったと発表されました。
それが事実であれば、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方に深くお悔やみ申し上げます。
調査中だと思いますが、事故は水圧によって「爆縮」が起きたためと言われています。
その原因は5年前に元社員が指摘していたように、そもそものこの潜水艇の耐久性不足、点検・強度確認不足、数年間使用後の金属疲労などが挙げられています。本当に残念で痛ましい事故です。是非、しっかりとした検証を行って頂きたいと思います。
タイタニック号の探索というものへの価値観は人それぞれかもしれませんが、この探索ツアーの参加費は一人当たり3500万円と聞いて驚きました。乗客の方々は、この潜水艇の品質について、どの程度説明を受けていたのでしょうか。命の危険について、きっとサインは求められたと思いますが・・・。
このニュースを聞いて、私達には日常生活の中でも「金額が高いものは優れたもの」という意識があるように思いました。
それは日本で生活しているからかもしれません。ですが、これからはイコールではないという視点も必要なのではないかと感じました。
建築の世界でも、金額や名前に安心するのではなく、信頼し合えるかどうかはとても重要なことだと改めて思いました。自分にとって本当に必要なものを考えると、逆に金額が下がる場合もありますね。
設計や工事を依頼される側も、金額にしろ費用にしろ、かかるものはかかるという勇気も必要だと思います。
建築のストックが増えた今の時代、建物の品質や価値を判断する機会が増えてくると思いますが、それらを見極める時に、我々建築士（真面目な(笑)）を利用するのもよいと思います。
絶対そうとは言い切れませんが、図面がきちんと描かれているか、特に中古の建物を判断する際に、その存在は一つの目安になるかもしれません。
建築士との接点はあまりないかもしれませんが、建築についてアドヴァイスできることもあると思いますので、是非、我々建築士の存在をお見知りおきください。