東日本大震災から10年

東日本大震災から10年

未曽有の大災害となった東日本大震災から10年となる日を迎えました。
東日本の広い範囲で長時間の揺れを感じ、とりわけ宮城、岩手、福島の3県で多大な被害を被りました。
そして日本全体が改めて地震の怖さを理解し、防災や将来への備えの大切さを認識しました。
また、被災地は世界中からご支援いただき、助けられてきました。ただ、福島においては、未だに帰還もかなわず避難生活を続けている方が多くいらっしゃることを思うと、心が痛みます。皆様、これからも福島に温かいまなざしを向けていきましょう。

「指折り数える」というのは良いことにしか使いませんが、10本の指で数えて、節目となった10年という歳月。大切な人を失った方にとっては、その辛さが消えることはないと思います。
震災に限ったことではありませんが、日々を過ごす中で、悲しみや痛み、辛さを抱いている人に、手を添えて、そして手を握り合えるような、そんな指でありたいと思います。

先日2月13日には福島県沖で最大震度6強の地震が起こり、一瞬あの時を思い出しました。
これからも日本では度々大地震が起きると言われていますが、東日本大震災によって、我々は地震による津波をハードによって完全に防ぐことは困難だということを学びました。
大地震が起きたら、沿岸部の人は、水が見えなくても、とにかく高いところに逃げてください。助かることだけを考えて行動してください!
世代が変わっても、決して忘れることなく伝え続けてまいりましょう。

さて、10年の復興期間で、被災した沿岸部は姿かたちを変えました。
住民との一定の合意があったとはいえ、その町のありようについては未だに色々な思いを抱く人も多いようです。
延々と続く防潮堤が海の全く見えない集落をつくった地域、商業施設を建設したものの、住居は高台にあるため夜間は閑散とする地域など。

10年前、私は河北新報に当時の想いを投稿し2011年6月23日に掲載していただきましたが、その時の「職住近接」の考えは今も変わっていません。
安全安心が一番大事だというのは全く一緒ですが、先にも述べたようにハード(構造物)だけでは防ぎきれないので、「逃げること、逃げやすい場所や方法を作ること」にまずは注力し、東北のそれぞれの地域に応じて、その地域の活気や美しい風景を継承しながら新しいまちを創造することができるのではないかと考えていました。
結局、日常に追われ何もできませんでしたが、これからも自分にできることを一生懸命やっていこうと思っています。

津波により被災した沿岸地域は、高台移転を中心とする「職住分離」の復興まちづくりとなりましたが、人々の生活や地域の賑わいを取り戻すことは、これからの工夫次第だという思いもあります。
10年が経過して言えることは、一人一人がどうしたらよくなっていくかを考え続けること、それが何よりも大切だと思います。

お問い合わせ CONTACT

どんなことでもお気軽に、
株式会社テコデザインへご相談ください。

TEL:022-739-9030
FAX:022-739-9031

[営業時間] 9:00~18:00
[定休日] 日曜・祝祭日

お問い合わせ