2020/03/30
宮城県大崎市古川福浦字道ノ上で工事を進めておりました就労継続支援施設B型の増築工事が竣工しました。
先週、完了検査および消防検査を終え、検査済証も交付され、既存の企業主導型保育園「しあわせ保育園」の建物に増築する形で無事年度内にお引渡しできました。
障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスには、「就労移行支援事業」「就労継続支援A型事業」「就労継続支援B型事業」があり、本建物は18歳から65歳の障害をお持ちで雇用契約に基づく就労が困難な方に、就労機会の提供や生産活動の機会の提供と、その就労に必要な知識と能力の向上のための訓練その他支援を行う施設で、その必要性の高まりを受けて全国で近年多く建設されている施設です。
社会福祉法人である建築主様は、そういう方にカフェという就労の場を提供し、生き生きと生活してもらいたいという想いで訓練の場である厨房と客席、多目的室、事務室、相談室などを有する建物を実現されました。
さらに今回は、建物の既存部分が保育園で地域連携室も備えていることから、それらと有機的に結びつける形での利用を考えていて、例えば保育園に園児を預けられる保護者、学童保育で利用される保護者、出産に向けて様々な情報交換をしたいという方、地域連携室を利用される方、色々な方が集えるカフェになってほしいという想いでいらっしゃいます。
すでに、このしあわせ保育園と幼保連携型虹の精認定こども園を運営されて社会貢献をされていて、理事長はこの場ではお伝えしきれませんが、宮城県大崎市をもっと魅力ある地域にして、人を呼び込みたいという熱い想いをお持ちです。
まさに、「熱男ー！」
私もそのお気持ちにとても共感して設計者として携わらせていただきました。
増築工事は木造平屋の準耐火建築物で、障害者が明るい気持ちで、またお客さんが心地良い場になればということで、在来木造でありながら空間に広がりが生まれるよう構造検討し、天井を一部船底天井とし、またフルオープンになるサッシでウッドデッキに出られるなど開放感ある明るい施設を目指しました。
また、床の仕上材として今回桜模様のグラデーションが作れるものを採用したり、小上がりを設け、床は畳ではなく柔らかい畳タイルとしていて、乳幼児が利用したときにやさしいことと汚した場合でもお手入れがしやすいようにと選定しました。
この後、椅子テーブルが入り、いずれウッドデッキ部にオーニングなどを取り付けていく予定で、今後ますますカフェらしくなっていくと思います。
新型コロナ感染症の影響が心配ですが、5月以降の開所を目指しながら、長く地域に愛され、多くの人々が集い、結びつきが生まれ、絆が育まれる、そんな就労継続支援・カフェの場となってほしいと思います。